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禅宗と坐禅

禅はパーリ語(インド初期仏教経典の用語)の「dhyana」 に由来し、静かに考えるという意味があります。インドでは5000年以上も前より樹の下などの閑静な場所で静坐して、瞑想に耽るヨーガの修行が行われてきました。禅は、このヨーガの坐法、調息、精神集中によって得られる身心統一の境地「三昧」と深く関係しています。

 

禅宗は南インド出身で中国にわたった達磨を祖とし、坐禅が基本的な修行形態となっています。その後、唐時代に六祖慧能や馬祖道一などによって大成されました。

大乗仏教で導入された仏性思想が坐禅と結びつき、「全ての人に内蔵される仏性が坐禅修行によって顕に輝き出るのだ」と主張されています。

達磨坐禅のベースとなる四行(報怨行、随縁行、無所求行、称法行)の思想は以下の通りです。

 

① 報怨行:現世の苦しみは過去の業(行為)の報いであると考えて、不平の心をもたない。

② 随縁行: 苦楽は因縁によって生じたものと考えて、勝敗栄誉などにも心動かされることなく平常心を保つ。

③ 無所求行: 全ての存在が本来空で求めるところがないと愛執貧着の心を離れる。

④ 称法行:「仏性清浄、人法無我」の理に徹して自他双利の行為を実践する。

 

坐禅の持つ意味や目的の解釈は、禅宗でも思想により流儀が様々です。

大別すると、臨済宗では坐禅により悟りに至る看話禅、曹洞宗では坐禅そのものが目的であり、坐ること自体に集中する黙照禅の立場に拠ります。どちらにおいても、修行者本人の疑問や疑団が解消されるまでは、逃げずに疑問に正面から向き合うことが要求されます。自身の懸案から逃げずに、己自身に対峙する平和的な方法といえるでしょう。

 

西洋では、アメリカとイギリスの両国で禅の教えが普及し、消費主義に依存する社会にますます浸透していっています。日本はなお、禅文化を学ぶ人にとっては聖地ともいえ、坐禅を体験するために毎年何千人もの人が訪れます。

 

なかでも、京都にある春光院は英語で坐禅体験を毎日行うなど、外国人の旅行先としても広く知られています。さらに、この寺院では結婚式も行えるほか、外国人向けのゲストハウスとして宿泊施設も提供しています。洋式のバスルームや無料Wi-Fi設備など、快適に過ごすことができ、相部屋(三人部屋)であれば一泊5000円から利用可能です。

 

ですが、坐禅のメリットを享受するために、必ずしも寺院を訪問する必要はありません。坐禅用のクッションと静かな空間、忍耐力があれば実践できます。師範から知識を学ぶこともできますが、自分自身で鍛錬すれば生涯続けることができるでしょう。

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